何をどこまで細かく覚えるのかは、
たくさんの入試問題を見て判断するしかありません。
「教科書や用語集にこう書いてあるから、こう出るだろう」
なんて予測するのは大変難しく、
また自信過剰で傲慢なことだと思います。
それゆえ、入試問題を調べて記録した上で、
何を教えるかを決めているのです。
教科書をすみからすみまで覚えさせることとくらべると、
はるかに面倒なことですが、この方が確実に高得点が取れます。
僕としては、教える内容に確信を持てるので、
事前準備は大変でも精神的には非常にラクです。
ウソを並べて営業をする人たちは、ほんとストレスがたまると思います。
さて、こんなメールをいただきました。
<Hさん>
まだ覚えていて頂けているでしょうか? 去年、藤沢で通年授業を受けていたHです。春期講習のおかげで、日本史のモチベーションを下げることがないまま、浪人の授業に取り組むことが出来ました!ありがとうございます(^^)授業が始まる前に実施されたテストでは、偏差値73でした。でも、それには全く甘んじていないので安心して下さい! ところで、少し質問があります。浪人の授業を担当している先生が、【弥生時代に直播きと田植えは、ほぼ同時に始まった、と最近の教科書にはあるから、それで覚えておいて】と言っていたのですが、私は入試ではやはり【直播きから田植えに代わった】と出るのではないか?と思いました。些細な質問で申し訳ないのですが、返信よろしくお願いします。
<石黒>
さすがにHさんは覚えました。
授業で見ている分には受かるタイプに見えてたので、
今年は各教科バランスよく得点できるようにしてくださいね。
日本史の偏差値はすごいですが、
他教科がそれについてこないと負けですから。
さて、田植えですが、
弥生時代の遺跡である岡山県百間川遺跡の水田跡に、
数人が並んで田植えをしたような株跡が発見されています。
そのことは教科書にも結構書いてあります。
このため、時間がしっかり取れる予備校だと、
「最近は早い時期から田植えが行われたことがわかっています」
と話しています。
昨年の藤沢ではそこまで話せなかったかもしれませんね。
で、肝心の入試出題状況ですが、
田植えの時期についてはそこまで細かく問われません。
この遺跡名もほとんど出題されないので、
わりと気楽にとらえておいてください。
生徒はもちろん、先生の中にも、
通史全体の学習深度のバランスが悪い人がいます。
原始・古代を異常に詳しく学習して、
やがて時間が足りなくなると、江戸時代や近現代を軽んじるわけです。
でもそれでは、
あの複雑にからみあった近現代のおもしろさを味わえません。
そもそも、難関大の入試では近現代を重視した出題が多いのに、
そこに十分時間を確保しなかったら、高得点は取れなくて当然です。
神奈川県の高校では、日本史を近現代から始める高校が多いです。
「おもしろいことするなあ」と思っていますが、
derutoko.com では、近現代の学習が不安な人向けに、
その骨組みをつかめる教材を用意しています。
『でる日講義−つながる近現代−』です。
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