昨日は通訳案内士の方をご紹介しましたが、今度は教員採用試験を受験する方からメールをいただきました。かなり長文に渡るアドバイスになりますので、2回にわけて紹介します。
<Tさん>
はじめまして。Tと申します。教員採用試験に向けて歴史の勉強をしようと思っています。私の受験科目は地理歴史の「日本史・世界史」です。講師をして数年たちますが、なかなか勉強がはかどらないのが現状です。今年をラストチャンスと考えて、本気で勉強をやろうと思っています。そこでお聞きしたいのですが、非常にわかりやすい参考書や、やりやすい問題集など、先生のお勧めの本は何かありませんでしょうか?なにかあれば教えていただけないか思い、メールを送りました。人生をかけた最後のチャンスを生かせるように努力したいと思っています。突然場違いかもしれないメールを送ってしまい申し訳ありませんでした。
<石黒>
ご返信が遅くなりまして、申しわけございません。当方で、教員採用試験の過去問をお調べいたしましたところ、選択肢がかなり長文にわたる正誤問題が、主に出題されているようです。こうした問題は、一見、一つ一つの正誤判別が難しく見えますが、実は、誤文の誤り箇所は簡単に作られていることがよくあります。そして、この教員採用試験の問題についても同じことが言えます。
具体的な対策としては、まず参考書を読んで歴史の流れを辿りながら理解し、その後に正誤問題集で演習を進めていく方法が良いかと思います。‘お話’の理解としての参考書では、手前味噌で恐縮ではありますが、当方の『いっきに読める日本の歴史』(中経出版)をお勧めいたします。本書は、全時代の日本史をわかりやすく説明した読み物になっています。文体もできるだけ話し言葉に近いよう、やわらかく書いていますので、勉強がはかどらない時でも、スイスイ読んでいただけると思います。ただ、かなりかみ砕いて説明していますので、実際に試験を受けるにあたっては、もう少し深い理解が必要です。日本史の教科書を読むのでも良いですが、お勧めなのは『読むだけ日本史』(学研)です。こちらは、大学受験における頻出事項をコンパクトにまとめた参考書ですので、教科書よりも手っ取り早く要点をつかめるのではないでしょうか。赤字などは、すべて大学入試の出題データに基づいていますが、教員採用試験においても、教科書風にお使いいただけるかと思います。
ただ、上記の2つは文化史の扱いがございません。ところが、政治史だけでなく、文化史についても問題演習の前に理解を進める必要があります。そこで、文化史分野の学習にお勧めなのが『文化史入門』(derutoko.com)です。こちらは弊社で出版している、まとめプリントと解説CDがセットになっている教材です。全時代を網羅しておりますので、解説CDを聞きながら概要をつかんだあと、まとめプリントを活用して覚える、という使い方で、文化史の基礎をおさえることができます。
【追記】
『文化史入門』は、現在は販売しておりません。