日本史の問題というのはどれくらい丁寧に作られているのか、
わからなくなることがたびたびあります。
先日、教員採用試験の過去問題集をチェックしていて驚きました。
正誤問題の選択肢一つ一つが結構長文で、
「この中から正文を1つ見つけるの面倒だなあ」って思わせるんです。
でも、実は誤文の誤り箇所は簡単に作られていて、
『あるある正誤問題』をやっている人にとっては、
すぐに誤文だと見破れてしまうんです。
だから、基本的には消去法で解くんですよ。
ところが、開いて早々にひどい問題を見つけてしまいました。
選択肢に「松方定信が寛政の改革を……」なんて文があって、
「は!? 松方ぁ?」と思わず声に出しそうになりました。
いや、寛政の改革を行ったのは松平定信なんですよ。
一瞬、上智並みの誤文レベルか? と驚きました。
しかし、他の選択肢を見るとすべて完全な誤文なのです。
ってことは、この「松方定信……」の選択肢は、
正文として作問されているようなのです。
解説には何も触れられていませんでしたが、
これは、この問題集を作った出版社による誤植なのでしょうか?
それとも本物の問題がそもそも誤植だったのでしょうか?
結局わからないままでした。
「親の心、子知らず」などと言いますが、
「受験生の心、作問者知らず」ってわけですね。
問題を解く側は、ほんとにハラハラドキドキしながら、
作問者が正解としている解答を答えてあげなければなりません。
「まったくもう……」とぼやきたくなりますね。
というわけで、一つ、質問メールを紹介します。
これも作問者が求める解答を
よく考えなければならないタイプの問題です。
<Iさん>
石黒先生、こんにちは。五街道についての質問があります。2003.立教.法学・経済学部のII.C6に「五街道の起点となった都市の名をしるせ。」という問題の答えが、赤本では「江戸」となっていり、私は始め「日本橋」と答えてしまいました…。この場合は「江戸」の方が適切なのでしょうか?その前に、私がただ単に「都市」の意味を理解していないだけなのでしょうか…?あと余談ですが、今、赤本をやっているわけではありません(笑)
<石黒>
日本橋というのは今は地名としても使われますが、
当時は橋そのものをさすわけです。
問われているのは都市名なので江戸が正解でしょう。
ところで話は変わりますが、昨日のエントリーで、
お父さんやお母さんに出資してもらって……なんて話を書いたら、
ちょうどその日に、
『MARCH学習院あるあるチェック』を購入してくださった方から、
こんなメールをいただきました。
(前略)昨年までは上の息子が利用させて頂きました。お蔭様で、現在明治大学に通っております。今回は下の息子が利用させて頂くものです。先生のblogは拝見させて頂いておりますが、親としても感心するばかりでございます。(後略)
いやいや、びっくりしました。
以前からこの方にはderutoko教材を何度も買っていただいていたため、
なぜ何年も買ってくださるのか……と疑問を抱いていたのです。
そしたら、なんと、お父様が直接ご注文なさっていたわけです。
そのうえ、お褒めの言葉もいただき、なんとも恐縮するかぎりです。
どうもありがとうございました。
●管理人より●
『MARCH学習院あるあるチェック』のご注文は
本日までとなっております。