入試分析なんて低俗なこと?

僕のことを教室でしか見ていない人にとっては、
想像しにくいかもしれませんが、
講義以外の仕事もいろいろしています。
原稿執筆をはじめ、いろんな仕事があるんです。
‘諸般の事情’からここに詳細は書けないわけですが、
そうした作業を通じて他の講師の方々と接点を持つと、
認識の違いに驚くことがあります。
たとえば、大学入試における歴史用語の出題率についてです。
「こんなの入試じゃあたりまえじゃん!」な用語を、
「これは難しすぎる」って指摘されてしまうんです。
ほかにも歴史事項のポイントがずれていることも多いです。
僕は入試問題を解くためのポイントを重視しているんですが、
「こんな解釈は間違っている」と指摘されてしまうんです。
そうした認識のズレはどうして起こるのかというと、
僕が入試の出題データを分析していろいろ主張するのに対し、
他の講師の方々は別の観点からいろいろ主張するからです。
その観点というのはだいたい2つありまして、
一つめは、歴史の新解釈です。
この場合は、入試がその解釈に追いついているかどうかで、
それを勉強に取り入れるべきかそうでないかが変わります。
新解釈が出題される場合とそうでない場合があるんです。
入試に出ない新解釈を覚えると、損をする場合も多々あります。
二つめは、山川出版の教科書です。
なぜだか山川の教科書を熟読なさっている方が結構いて、
そこにどう書かれているかで判断するわけです。
でもね、大学入試で高得点を取りたかったら、
教科書にどう書いてあるかは関係ないんですよ。
入試って教科書をもとに出題されてるんですか!?
そもそも教科書に書かれている内容だって正しいとはかぎりませんよ。
教科書は文科省の検定をパスした内容が書かれているだけです。
あたりまえですが、私立大学の入試問題に検定なんてありません。
ちなみに、なんで山川にこだわるんでしょうねえ?
僕の知らないところで影のチカラがはたらいているのでしょうか?
そして教科書を重視しない僕だけが村八分にされているのでしょうか?
……いやいや実際のところは、
入試問題を調べるのをめんどくさがってるだけに見えます。
‘教科書に精通する’
という一つのことだけをやるのは簡単ですからね。
僕は大学で歴史学を専攻したわけではありません。
そのかわりと言ってはなんですが、
予備校で教壇に立ったり参考書を書くにあたって、
入試問題を徹底的に調べているだけです。
もしかして歴史学を専門にしている方から見ると、
入試問題を調べるという行為が低俗に見えるのかもしれませんね。
たぶん歴史学を追究することの方がおもしろいんだと思います。
でも、大学入試対策を仕事とするなら、
本当にやるべきことは、入試問題を分析することではありませんか?
両方できれば一番良いのでしょうが、
なかなかそういう方にはお目にかかれません。

さて、今日はそんなズレのせいで、
成績が伸びないのかもしれない人からのメールを紹介します。

<Wさん>
大変お恥ずかしい質問ですが失礼いたします。自分は四月から実況中継等の参考書を読んで問題集も一通りやったはずなのですが、10月の模試で日本史の偏差値が50ちょいでした。成績が返ってきたときは、一晩泣きました。泣いていても仕方ないと思っていたら、石黒先生のサイトにたどり着けました。(ちょっと、運命的なものを感じました笑”)こんな成績なんですけど、早稲田の文学部志望です。浪人するわけにもいかないし、絶対早稲田に行きたいんです。しかし、こんな日本史の成績では早稲田の問題で合格点っていうのは程遠いって思ってます。でも、石黒先生のCDを購入させてもらいました。それで、今から本当にすべてそっちのけで日本史をがんばろうと思います。こんな自分でも間に合いますでしょうか?英語・国語の進行具合は良好です。日本史に結構時間がさけると思います。間に合う間に合わないっていうことではないと思いますが、アドバイスお願いします。

<石黒>
教材をご購入くださったようで、ありがとうございます。
成績が伸び悩んでいるというのは、勉強法以外にも、
入試の出題に沿った学習ができていないということも考えられます。
受験日本史の概要については、
でるとこサイトのこのページで紹介してありますので、
こちらから読むことをお勧めします。
(パソコンでごらんの方はこちらからどうぞ。)

サイトやブログを読んだり、でるとこ教材を使っていただくと、
世にあふれる参考書や模試が、
いかに入試の出題頻度からかけ離れているか、
また、僕や過去の卒業生が提唱している効率的な勉強法などに、
驚くかと思います。
今まで使っていた参考書群には書かれていないことが、
実際の入試では大切だったりするってことです。
当方の教材にはそうした弱点はありませんから、
思いっきり取り組んでください。
最初は、現実を目の当たりにして愕然としてしまうかもしれませんが、
そこからのし上がるようなパワーのある人が、
早稲田に合格できる人ではないでしょうか。
厳しいようですが、間に合うか間に合わないかは、W君しだいです。
健闘を祈ります。

<Wさん>
お返事ありがとうございます。
確かに出ないところをやっていたのかもしれません。今日本屋に言って石黒先生の読むだけ日本史を購入しました。すごく簡潔にまとめてあり、一気に読んでしまいました。今までは細かい知識に目が行き過ぎていて重要事項を暗記できていなかったのかもしれません。石黒先生の教材を使って、一から日本史をはじめてみようかと思います。あきらめずに石黒先生を信じて最後までがんばりたいと思います!!春には「合格しました!!」ってメールを送れるように今からがんばります。