教科書用語の不安

日本史用語の入試出題率を知らない人にとっては、
それぞれの歴史事項を覚えるかどうかの基準が、
教科書や用語集になりがちです。
教科書なら山川出版の『詳説日本史』が有名ですから、
そこに書かれているかどうかで選別するわけです。
また、用語集なら用語ごとに教科書掲載数が書かれていますから、
その数字の大小で選別するわけです。

……で、それが本当の入試では役に立たないわけですよ。
それは出題率を調べてみればわかることです。
でも、調べない限り、それらを頼りにするしかないとも言えます。
そして、出題率を調べるのは非常に困難なことですから、
普通はやらないわけですよ。
僕はその作業をあまり困難と思わないタイプみたいです。
パソコンに向かって、延々とやってますね。

(1)一つ一つデータを拾うこと
(2)データを生かして出題を予想すること
(3)その予想があたったことを確認すること

この3つが実に楽しいわけです。
というわけで、教科書の太字であっても、出ないものはやりません。
逆に教科書や用語集に載っていなくても、出るものはやります。
そうすると、大変オイシイことがおこります。
一見、意味不明な問題が解けてしまうんです。
答えはたぶんノートにある用語のどれか、だからです。
これは、石黒の授業を受けて40面ノートを作った人でないと、
わからない世界かもしれません。
遠方のみなさん、ごめんなさい。

ただし文化史なら、そのまとめに相当するものを提供できます。
映像教材『でる日講義−とことん文化史−』です。

さて、今日はそれについての質問メールを紹介します。

<Kさん>
先日、教材を購入した、Kという者です。早稲田商学部か社会科学部を目指しています。(本命は商学部)文化史は、「とことん文化史」付属のまとめのプリントをパーフェクトにすれば、大丈夫でしょうか??出題率に基づいて構成されているのは分かるのですが、やっぱり教科書にあって、こちらにあるものがあったりすると、不安になってしまいます。国語が苦手なので、英語と日本史で点数を確保したいと思い、日本史でも高得点をとりたいと思っているのですが、商学部対策として、特に力を入れるべき分野はあるでしょうか??
追記:文化史のプリントが2セットある配慮は、大変うれしかったです。

<石黒>
大丈夫です。
ちなみに、気になる用語とは何のことでしょう?
どういう学習環境にあるかはわかりませんが、
教科書を優先しているのでは、なかなか高得点は取れないと思います。
僕の通年授業では、教科書に太字で書かれている用語でも、
まったく紹介しないことがよくあります。
ちなみに商学部の正誤問題には、
推測や論理的思考で解く問題がありますから、
ポイントをついた学習をしていなければなりません。
過去問で常に確かめていってください。

<Kさん>
明治以降の文化が、山川の教科書では細かかったので、気になっていました。「大丈夫」とのことで、安心しました。
近現代は、「受験生が本当にほしかった問題集、近現代・・・」をやろうと思います。これを極めたいと思います。史料がちょっと不安ですが、でるとこ教材に頼りたいと思います。

<石黒>
今、教科書をパラパラ見てみたのですが、
ほとんどの事項は
『でる日講義−とことん文化史−』で扱っていますよ?
この教材はテーマ別に文化史をたどっているので、
気づかなかったのかもしれませんね。
ただし、明治初期の文明開化については、
政治史部門で扱う内容ととらえているため
(実際に通年授業で講義しています)、
『でる日講義』には登場しません。
もしその部分のことをさしているなら、
教科書などで十分補っておいてください。