正誤問題が嵐のように出される成蹊大法学部を紹介します。
<Sさん>
いつも論述添削ありがとうございます。
昨日の成蹊大学法学部について、質問があります。
問題文、徳川幕府の成立以降新儒学は幕府や諸藩に受け入れられていく。この説明に関して適切ではないものはどれか。
(1)下剋上の風潮を鎮めるために適切な役割を果たすことが期待された。
(2)武士の新しい存在理由を説明する上で適切と考えられた。
(3)経済活動の活発化を促す役割を果たすことが期待された。
(4)キリスト教や仏教の説く超越的な宗教的権威に対抗する教義として評価された。
(3)にしました。
徂徠学派への批判内容に関して適切なものはどれか。
(1)徂徠が、孔子の権威を否定したこと。
(2)徂徠が、道徳学としての儒学を否定したこと。
(3)徂徠が、陽明学を正統としたこと。
(4)徂徠が、商業を重視したこと。二にしました
新憲法に関して最も適切なものはどれか。
(1)日本国憲法制定作業は幣原内閣のもとでも進められていたが、最終的に草案を議会に提出したのは第一次吉田内閣だった。
(2)日本国憲法制定は大日本帝国憲法を改正する形式で行われ、最終的に改正案は衆議院及び参議院の両院において修正可決された。
(3)改正案が修正可決された後に、天皇が国民に付与する欽定憲法として日本国憲法は公布された。
(4)日本国憲法の改正は発案・発議・承認という三つの段階を経て、行なわれることになっており、国会による発議には両議員の出席の三分の二以上の賛成が必要だと定められている。
(4)にしました。
あと旧軍人の士官以上は警察予備隊に採用されることはなかった。は正しいですか?お忙しいと思いますがお願いします。
<石黒>
> 徳川幕府の成立以降新儒学は幕府や諸藩に受け入れられていく。この説明に関して適切ではないものは
答えは(3)です。
(1)(2)(4)はすべて正しいと言えますので、消去法で解けますね。
江戸幕府の身分制度との関係を考えれば、(2)は正文となりますよ。
> 徂徠学派への批判内容に関して適切なもの
正解は(2)です。
荻生徂徠の考えは文化史や早慶大向けの講習でやりましたね。
あの大学のためにはぜひとも必要な知識です。
> 新憲法について
正解は(1)でした。
(4)は「出席議員」という部分が間違っています。
「総議員」の3分の2以上の賛成が必要なのです。
これはやや細かかったですね。
ちなみに、(2)は「参議院」が、(3)は「欽定憲法」が誤りです。
> 旧軍人の士官以上は警察予備隊に採用されることはなかった。
誤りです。採用されました。
公職追放を解除した背景には、そうしたこともからんでいるのです。