早稲田の新設学部のサンプル問題

学生数・受験者数を確保するため、
大学はあの手この手と繰り出してきます。
定番なのは「学部新設戦法」ですが、
最近、「うまいなあ」と唸らされたのは、
立教大が今年から始めた「全学部日程試験」というヤツです。
「受験する機会を増やしてあげよう」という名目で、
要するにそれだけ受験料を△&#*@って作戦なんですねえ。
大学がトクをして、受験生もトク(?)をするかもしれませんが、
作問にあたる教授たちは大変ですよねえ。
そして、もちろんそれを分析する僕も大変です。
なかでも早稲田大学の場合は、
derutokoサイトとワセヨビのサイトで解答速報を出すため、
年々負担がキツくなっています。
大手予備校のように何人かのチームで解答を作れればいいのですが、
derutoko.comやワセヨビではそうはいきません。
基本的に問題を解くのは石黒一人です。
史料の原典を探すためにスタッフが図書館に走ることはありますが、
その解答に責任を持つのももちろん、僕なわけです。
これはかなりのプレッシャーです。
実はある別の業務もあって、1月末から2月にかけては、
相当な量の入試問題を解いています。
授業はほとんどありませんが、気が抜けない1カ月半なんです。

そんなわけで、
今日はその新設学部の問題についての質問を紹介します。

<Iさん>
はじめまして。でる日シリーズにお世話になってます。
先生の講義は「つな近」で初めて受けたのですが、他の講師の講義を受けていた自分にとって衝撃的でした。同じ映像授業なのに・・・もっと早く先生の存在を知れたらなぁ・・・といつも思ってしまいます。
早稲田の文化構想学部を受けるのですが、ちょっと疑問に思うことがあり、先生に質問してみようと思いました。赤本に載っていたサンプル問題の分析には文化史の比重が非常に高く、特に前近代の美術史は必須と書いてあります。文化史の対策はもちろんやっているのですが、サンプル通りに文化史ばっかり出るのかな?前近代の美術史が必須って事は一文の傾向を引き継ぐのかな?とあれこれ考えてしまいます。長々とすいません。結局のところサンプル問題はどこまで信用していいのかという事なのですが・・・問題に目を通されていたら感想なども聞かせてほしいです。

<石黒>
返信が遅くなり申しわけありません。
つな近を受講してくださり、どうもありがとうございます。
ただし、早稲田をめざすならあのレベルで満足せず、
『受験生が本当にほしかった問題集』などで、
細かい事項にまで手を出してください。
さて、早稲田の文化構想学部のサンプル問題についてですが、
確かに文化史分野の問題の割合が高いですね。
実際にその割合になるかどうかはわかりませんが、
たとえそれくらいの高い割合であっても難問がほとんどないため、
何も困ることはないと思います。
昨年までの第一文学部の過去問と比較してみると、
Iさんには難しく感じるのかもしれませんが、
他の私大や早稲田の他学部の文化史問題の難易度と比較すると、
まったく標準レベルの問題といえます。
というわけで、
第一文学部の簡単な文化史問題の傾向を引き継ぐのではなく、
むしろ他学部の問題レベルで出題されるということでしょう。
文化構想学部のサンプル問題には、
非常に早稲田らしい問題が散りばめられていて、
僕などは「これはまた高得点獲れそうだな。ニヤリできそうだぞ!」
などと思っているほどです。
サンプル問題を見て、そう感じられないのだとしたら、
文化史対策・早稲田対策が、
まだまだ足りないということではないでしょうか。

Iさんの健闘を祈ります。