南京事件? 済南事件?

みなさん、史料問題対策をおろそかにしていないでしょうか?
今日は『どこでも史料問題』を買ってくれた方からの質問を紹介します。

<Sさん>
こんばんわ。 今日はどこでも史料問題で質問があります。
35番“恐慌と大陸侵略”の金融恐慌の史料で『惨憺タル暴状』っていうところの説明に“国民革命軍による南京事件”とあるのですが、これは“済南事件”ではないのでしょうか?? 時期的には済南かなと思うのですが…
よろしくお願いします。

<石黒>
音声CDは聴いてますか?
伊東巳代治が怒っているというのに、
それを「時期的に済南事件」じゃないかと考えている時点で、
S君はまだまだ甘いということがわかります。
むしろ時期がずれてますから。
伊東巳代治が怒っていたのは若槻内閣。
済南事件は田中内閣だから、済南事件ってことはありえないんです。

「南京事件」というと、「南京大虐殺」の方を考えがちですが、
入試では、もう一つの南京事件が出題されることがあります。
中国の国民革命軍が日・米・英などの領事館を襲撃した事件です。
そういう状況下でも日本は軍隊を送らなかったため、
枢密院の伊東巳代治は怒っていたわけです。
怒りの対象は、もちろん、
軍隊を送らない幣原協調外交の第1次若槻礼次郎内閣です。
そこがきちんとわかっていれば、
田中義一内閣の時に起こった済南事件と間違えるわけがないのです。
こんなふうに、時期を丁寧に考えることは、
選択問題で消去法が使えるようになるという意味でも、
非常に重要なことなのです。
冬期講習の早慶向けの講座などでは、
そのあたりを痛いほど悟ってもらうつもりです。

『聴くだけ日本史 −内閣編−』では、細かい内閣チェックができます。
内閣を覚えているかどうかの確認のためだけでなく、
頭の回転を速めるためにも、ぜひお使いください。
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