復元がなかなかできない人へ(1)

夏休みに入って、ようやく重い腰を上げ、復元に取り組み始めた人が結構いるようです。通常授業を受けていない人のために簡単に説明すると、「復元」とは、授業で板書したまとめをまっ白な紙の上に復元することで、ノート見開き40面を、まるごと覚えきってしまおう!ということなんです。

もっとも、完璧に復元できなきゃいけないわけではなく、枠で整理されたまとめの部分を書けるようにしたいだけです。四角番号で整理された部分の多くは、チェックペンをかけて単語チェックができるようになればよいでしょう。ただ、自分の好みで単語を選んでいるのでは意味がないのですが。遺跡名などは、遺跡名を赤チェックペンで塗りつぶしたら、隣に書いてある県名を緑チェックペンで塗る必要があります。

さて、受講生のみなさんの話を聞いていると、なかなか復元ができない人は、次の項目にあてはまる人が多いようです。

1 日本史の用語に慣れていない。
2 ノートの全体構成・見出しを覚えていない。
3 ゴロや替え歌を使って覚えていない。
4 シリーズ物に注目して覚えていない。
5 できごとの流れ・つながりがわかっていない。

1にあてはまる人は、言葉に慣れるべく、用語をぶつぶつしゃべってみてください。人はその名前を口にして初めて、それを知るんです。

2にあてはまる人は、焦らずじっくり、まず見出しや枠から取り組んでください。見出しを言えないということは、歴史の大きな流れがわかっていないということです。

3にあてはまる人は、用語をまとめてわしづかむことの重要さに気づいてください。言葉に慣れたら、次は全部まとめて覚えきるための工夫が必要です。ゴロや替え歌は自分で作ると忘れにくいものです。ただし時間がかかりすぎてもバカバカしいので、既製品もじゃんじゃん使ってください。

4にあてはまる人は、ノートのあちこちに散らばってる用語を、同じ色にしてシリーズ化してみましょう。シリーズ物を覚えると、時期がとびとびのできごとも、ストーリーを思い出さなくても、一気にたくさんの用語が復元できます。

5にあてはまる人は、ノート一行一行のつながりを知っていると、そのつながり性から語句を思い出せるものです。近現代はつながり性が強いので、ノートの復元がしやすくなりますが、古代~近世でもそういう要素を意識するべきです。

そして、たぶん一番多いのは、5にあてはまる人だと思います。というのは、これは授業を熱心に聞いていないかぎりできないことで、そうしていなかった人が、よく「復元」につまづいているんです。で、そうなることが予想されるので、寝ている人がいると注意するんです。でも、それは最初のうちだけです。1回注意しても効果がない人は、何度注意しても変わらないからです。不親切とも言えますが、同じ人を何度も注意するのはえこひいきでしょう。他の生徒は授業がストップしている間、損してしまうのですから。

この話はまだまだ続きそうですが、今日はこの辺で……。

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