「癸」の字がつく受験日本史用語って何?

先週の土曜日、早稲田予備校東京校で、
「史料・文化の日本史」という授業がありました。
これは通常授業で割愛している史料と文化史を講義する、
ワセヨビならではの講座です。
そこで、「王政復古の大号令」(史料レベルB)をチェックしていると、
「癸丑」という言葉が出てきました。
この意味を覚えるには他のできごとと関連づけた方がいいので、
一つ問題を出してみました。
「これは干支ですが、『癸』の字を使う言葉って何でしたっけ?」と。
前日の金曜日には、西船橋校で最前列のI君が即答していましたから、
気楽に問いかけたのですが、誰も答えられません。
あれえ? と、ちょっと拍子抜けしました。

解答はのちほど明らかにしますので、
この授業を取っていなかった人は考えてみてください。

日本史という科目は、あちこちに関連性があります。
2学期ともなると、1学期に学習した範囲との関連もあれば、
近現代特有の政治・経済・外交のからみあいもありますから、
しっかり復習していると、いろんなところのつながりぶりが見えてきて、
非常に楽しく感じるんです。
だからこそ授業中にいくつも問題を投げかけるわけですが、
同時に教室全体を見渡し、みなさんの反応を見て、
どのくらいのレベルに達したかをチェックしていたりします。
もちろん、クールな人だと答えがわかっても表情に出さないのですが、
1学期には寝惚けていたような人が、ニヤっとしてるのを見ると、
こちらもすごく楽しくなります。
これを僕は「近現代デビュー」と呼んでいます。

そんなわけで、ちょっといやーな感じを残して、
「史料・文化の日本史」の授業が終わりました。
すると、授業後に一人の現役生がやってきて、
「あたし、さっきの、ものすごくむかついたんですよ!」
って怒り出したんです。
何事かと思ったら、
「浪人生のくせに癸亥約条も思い出せないの!」
と、真っ赤になって怒るんですよ。
「浪人生は現役生より時間がたくさんあるんだから十分復習できるはずだ!」
と、彼女は言うのです。
キビシイですねえ。高卒生といっても人それぞれでしょう。
変な話、そんなにしっかり復習する人だったら
現役で受かってるわけだし。
だから彼女が高卒生を責めるのは、ちょっとズレてるような気もします。
ただし、彼女の怒りっぷりにはぐっとくるものがありました。
だって、実に頼もしいじゃないですか。
私はあんな人たちとは違うんだ! と言ってるわけですから。
でも、その一方で彼女は、
今まで高卒生の人たちのことを自分より上だと尊敬していたわけですよ。
そこもなんだか、ほほえましい。
そして、それを乗り越えてやる! という気迫があふれ出ていましたから、
僕は大笑いし、そして、思わずウルウルしました。

その日は、他にも男子現役生が、
歩き復元やってたら、夢中になっちゃって、
クルマにひかれそうになりました。」
なんて言ってきたりして、なんだか楽しい気分で帰りました。

みなさん、理解をしながらノート暗記をし、ノート復元をめざしましょう。
そして、もっと頻繁にいろんなページを開いて、短時間復習をしましょう。
僕も火曜日から、また新しい教材の撮影が始まります。
今度はderutoko.comで販売するわけではありませんが、
また1番ページから講義するんです。
あちこちのページにしょっちゅう触れていると忘れにくくなりますよ。
お互いにがんばりましょう。