授業をどこまで聴き取れていますか?

講師ならあたりまえのことですが、
受講生がどのくらい授業を聴いているか常にチェックしています。
それは、たとえ100人を超えるクラスであっても、です。
居眠りしてるかどうかとか、
机の下で携帯をいじってるかどうかなんてレベルではありません。
誰がどのくらい聴いていて、誰がどのくらい集中できていないか、
教室の隅から隅までチェックしているんです。
人を観察するのが好きだというのもありますが、
聴き取ってもらわなければ、何も始まりませんからね。

ただし、聴いていない生徒を注意できるかどうかは、
クラスの人数で変わってきます。
10人以下のクラスだと、
少なすぎてほとんど注意する必要はありませんが、
70人くらいまでだと、
1年間のうちに何度かは注意する必要があります。
もっとも、注意してもムダなタイプの受講生には注意しませんが。
はい、もちろん、そこも見極める必要があると思っています。
そのあたりは非常に難しいですね。

ところで、藤沢です。

今年から大教室を使うようになって、
100人を越す生徒に講義をしているんです。
そうすると、集中できていない生徒を見つけても、
授業中に注意することなんてできないわけです。
いや、最初の頃は何度か注意しましたが、
人数の多さに比例して、聴いていない人も多くなりますから、
それを注意しまくっていたら、大変な時間が取られてしまうのです。

さて、その藤沢のTさんから次の質問がありました。
先日の文化史の講座も受講していたようです。

<Tさん>
昨日は、河合としてはとても貴重な文化史の授業をありがとうございました。「××大学は文化史!」の一言に冷や汗がとまりませんでした(笑)
それで、昨日先生にアドバイス頂いた通り××大学の過去問に引き続き手をつけているのですが、問題の中に『新猿楽記』という言葉があり、初めてみるなあと思って、ノート検索をしたところ、08左と出ました。だけど8ページは荘園と院政で、私のノートには書いていないのですが…もしかしてただの私のミスでしょうか??あと『評定所』も23左にはあるのですが、18右には書いてありません。今40面ノートを見せ合える友達が近くにいないのでメールさせて頂きました。こんな初歩的な質問で、すいません。

<石黒>
藤沢の通年授業は
当方でもすべて録音しているので確認してみましたが、
両方とも当然のことながら、講義しています。
新猿楽記は8番ページのところで、
テキストを使って藤原陳忠と藤原元命を紹介したあと、
田中豊益『新猿楽記』藤原明衡と板書しています。
しかも、△△や□□ともあわせて、
××大では過去にもう何度となく出題された用語です。
そのこともたぶん指摘したと思います。
一方、評定所は18番ページの江戸幕府の職制のところを、
これまたテキストを使って説明した際に触れています。
しかもテキストに書かれていない内容の補足もしていますよ。
この質問から推測すると、
ほかにも授業をだいぶ聞き逃しているのではないかと不安になります。
両方とも大変重要な用語なので、
授業でもかなり強調しているところなのです。
これが氷山の一角だとしたら大変なことになります。
正直、驚きました。

※編注:都合により、文章の一部を伏せさせていただきました。

彼女がどのくらい聴いているかも、チェックしていましたが、
4月開講当初よりは聴くようになったと認識していました。
しかし、まだまだなようですね。
もっとも、総授業時間数の少ない河合塾ですから、
すごい早口になっていて聴き取れなかったのかもしれませんが。

最後にキビシイことを言いますが、
やはり、集中力のある生徒は一発で合格します。
だからこそ、実は、高卒生のクラスの方が、
授業を聴いていない生徒の割合が高かったりします。
人の振り見て、わが振りを直しましょう。