仮面浪人なんですが、アドバイスお願いします(1)

仮面浪人についての相談メールが来たので、
思わず、かなり長文の返信を書いてしまいました。

<Kさん>
お久しぶりです。この春、日大に入学したKです。帰省していて暇なので本屋に行くと『いっきに読める日本の歴史』が置いてあり購入しました。こんな地方の小さな本屋にもあったのが感動です。攻略法や読むだけと違って分厚くて読み応えがありそうですね。ただ中の挿し絵が攻略法みたいに石黒先生の似顔絵でなかったのが残念です。
私は当初4月14日のブログの立教を目指しているMさんの話を見て、私もこんな大学で4年間過ごしたくないと思い受験英語だけは7月まで続けてきました。それでも7月にフランス語や簿記のような受験にとって邪魔な科目のテストが大学であり勉強も中断してしまい8月からちょこちょこと再開したくらいです、模試も6月までしか受けていない状況です。
友人も仮面するということで連絡を取り合ってきましたが、彼は今も石黒先生の夏期講習を受けるなど積極的な姿勢があって私も焦ります。このままダラダラとアンチ日大の学生生活を終えたくありません。英語は後期からしっかりと予備校で授業をとるつもりです。日本史は40面と文化史プリントを完全に復元できるよう日々努力します。それに当たって何かアドバイスや注意をお願いしますm(__)m

<石黒>
K君、お久しぶりです。
『いっきに読める日本の歴史』を読んでくださっているようで、
ありがとうございます。

ところで、再受験を考えているとは知りませんでした。
ただ、文面から推測する限りでは、
仮面浪人はあまりお勧めできないように思います。
予備校講師の僕が言うのも何ですが、
大学が人生のすべてとは限らないと思いますよ。
1浪や2浪くらいなら
大学受験のために年月を費やしても無駄ではありませんが、
それ以上となってくると疑問も感じます。
たしか立教大が第一志望だったと思いますが、
そこまで時間をかけて入る価値のある大学なのかどうか……。
立教大に行くと何ができるのでしょうか?
また逆に、日大では何ができないのでしょうか?
さらには大学を出てから何をしたいのでしょうか?
何をしたいのかを見つけたいというなら、
今、大学なんて枠にとらわれずに、
実際に何か活動をしてみてはどうですか?
いかに「大学」という縛りが小さなものかが見えてくると思います。
確かに難関大合格者には優れた人が多いので、
‘学歴社会’は否定できないと思いますが、
そこにこだわりすぎるのも間違っていると思います。

もし、何が何でも立教大に入りたいというのであれば、
K君の中で大革命を起こさなければいけないでしょう。
去年まで何年かかけて勉強してきても
目標に届かなかったということは、
その数年分以上の努力を、
2月までのあと6ヵ月間に成し遂げなければいけないのですよ。
浪人時代の何年か分のストックがあるから、
それに上積み勉強をすればいいと思っているかもしれませんが、
それは大間違いです。
なぜなら、覚えたものをどんどん忘れていってしまっているからです。
一つ例を挙げましょう。
今年の早稲田で3教科で軒並み90%台を出して、
文学部の日本史では満点を取った人でさえ、
今、早稲田の過去問を解くと83%だったりするのです。
彼女は東大志望でたぶん今度は東大に合格するでしょうけれど、
そんな天才的な能力の人ですら、忘れていくことに悩んでいるのです。

というわけで、選択は幾通りもあると思います。
くれぐれも、広い視野を持って考えてください。

この話、明日にも続きます