06年の慶應大の文化史って難問?

夏期講習がとうとう終わりました。
いろんな講座がありましたが、みなさんは何を得たのでしょうか?
今年は、このブログやでるとこサイトのせいで、
「衝撃を受けてメラメラしてきた!」というメールを、
何人からかいただきました。
そういう中で思ったのは、

問題の解き方がわかっていない人が結構いる

ということでした。

出題されるネタをポイントを外さずわしづかんでいれば、細かい知識などなくても正解できる!

こういう話を演習問題の解説のあちこちでしましたね。
とくにワセヨビやS.P.Sで、
文化史の講座と経済史・外交史の講座を受講した人は、
そういう問題に何度も遭遇したはずです。
河合塾で発展の講座を受講した人は、
藤原氏系図の問題や職制図の問題などで、
わしづかむことの大切さに気づいたんじゃないでしょうか?

S.P.Sの「経済・外交史」の講座には、
遠方から高校の先生が受講しに来てくださいました。
授業後にいろんなお話をさせていただいたのですが、
「問題への取り組み方に驚きました」
とおっしゃっていたことが強く印象に残っています。
入試問題は、何もかもを知っていて解くのではなく、
うまい方法を使って推測して解くことも多いのです。
そのためには出題データを把握することは非常に重要だと思います。

今年の慶應大学文学部では、
第1問が「大正・昭和初期の文化」からの出題でした。
問題を見たら、その奇抜さに度肝を抜かれるかもしれません。
なにしろ、「リンゴの歌」や「手塚治虫」はまだしも、
「のらくろ」なんて出題されているんですから。
そして、わけあってこの大問で出された20問のうち、
山川出版の教科書『詳説日本史』にいくつ掲載されているかを、
数えてみたのです。

7問でした。

でも、この大問は決して難問とは言えないんです。
なぜなら、教科書には載っていなくても、
いろんな大学ですでに出題されていることばかりなので、
出題データを意識して学習していれば、高得点が取れるからです。
ちょうどここに2人の生徒からいただいた入試問題があります。

06慶應(文)

この画像を見ていただくとよくわかると思うのですが、
二人とも20問中18問を正解しています。

同じ慶應で言うなら、商学部でも近現代の文化史が出ていました。
「明治時代のキリスト教」の大問です。
これも、難問だと思っている人がいるかもしれませんが、
こちらはある1問を除いてどれも正解できる問題でした。

夏も終わろうとしているこの時期にもなれば、
さすがに用語集全暗記をめざして、
時間の浪費をしている人はいないと思います。
でも、もし「こんなの誰もできないよ」などと言って、
問題を解けない自分にいいわけしているとしたら、
それは2月に泣くことでしょう。
自分で自分を騙してどうするんですか?
そんなに詐欺師になりたいのですか?
いや、逆か。
「あなたに騙されたままでいたい(はあと)」ってヤツですか?

ひと夏に百ン十コマもやっていた時代にくらべれば、
だいぶラクになりましたが、
それでも、夏期講習が終わると気が抜けます。
そして今年は、用意周到に8月末に仕事が溜まらないようにしたので、
明日からは、なんと旅行に出かけます。
ブログの更新も止まると思います。
また9月にお会いしましょう。