ハーフサイズ模試には打ちひしがれている人が結構います。
センター試験の高得点にあぐらをかいていた人や、
有名全国模試での好成績に安心してしまっていた人には、
冷や水をあびせられたような気分でしょう。
以前にこんなメールをいただいていましたが、
たぶん、彼も今ごろ自分の穴が見つかって、
次なるステップに邁進していることと思います。
<Tさん>
(前略)最近は専ら40面ノートと文化史プリント18枚の復習です。今日は本番に向けた復習をしたのですが午前中で文化史総復習できました!読めない字で書き殴っているので次は3時間でできそうです。ボールペンが1日1~2本消費するのがネックですが…(笑)僕の受験勉強が間違ってたとは誰にも言わせないように○○(編注:大学名が入ります)に現役合格してみせます!!(後略)
<石黒>
今ごろの返信で申しわけありません。
今回の模試では、単にノートの復元だけでは解けない問題があることが
わかったかと思います。
たしかに○○なら単純に用語が問われるだけのことが多いですが、
その場合でも正確な知識が必要になります。
また、他の受験校には
史料読解や細かい正誤判別が求められる問題も、
あるのではないでしょうか。
ハイレベルな過去問の演習が必要なのかもしれません。
どちらにしても弱点を見極めて、そのカバーをしてください。
ところで、各予備校では大学別対策講座が行われています。
河合塾では「上智・青山学院大日本史テスト」という講座があって、
その受講者から質問をいただいていました。
<Mさん>
(前略)今日青山上智日本史を受けたのですが、授業で一つ分からないことがあったので、質問させて下さい。橘三千代が不比等から譲り受けた邸宅が、光明子も皇后となっていて、受け継ぐ人がいないため、法華寺にしたというお話がありました。その時、「法隆寺伝法堂だ!」と自信満々に答えたのですが、間違えてしまい、もやもやするので、用語集や資料集で調べてみました。そしたら法華寺は光明皇后の創建で、伝法堂が橘三千代の住宅の移築とあったのですがどういうことなのでしょうか?自分の理解が浅かったらすみません。夜中に、長文失礼しました。
<石黒>
話をよく聞いてください。不比等の邸宅を娘が相続するのですよ?
娘とは光明皇后のことです。
しかし、光明皇后は内裏に住んでいて自邸はいらないので、
法華寺としたわけです。
そして、法華寺と法隆寺伝法堂は無関係です。
伝法堂は橘三千代の家という説と、
橘古那嘉智の家という説と二つあって、
人名が出ることはまずありません。
「早とちり」や「思い込み」の強い人は、正誤問題に弱いのです。
(1)ハイレベルな問題を解く
(2)間違えたらノートにもどって理解し直す。
この2つをできるだけたくさんこなしてください。
口には出しませんでしたが、彼のような人には、
「ぜひハーフサイズ模試を受験してほしいものだ」と思っていました。
そうしたら、思いが通じたのか、先日申し込んでくださいました。
ワセヨビの東京校でのライブ受験が30日に行われるため、
オンライン受験も思い切って月末まで受験できることにしたのです。
日本史が得意だと思っていた人が、
足下をすくわれるのがこの模試です。
当然、本番の入試でも起こりうることでしょうから、
最後の最後で、自分の弱点に気づいてください。