昨日のつづきです。
<Nさん>
先生のブログを読ませていただいていますと全国には先生の授業を聞けずに頑張っている独学受験生が数多くいるのだと感じており、そのような受験生の参考になるかどうかわかりませんが、私の教材活用方法を、特に前近代について書いてみます。今の高校生がどの程度PCソフトを使いこなしているのかあまり知らないため、全く参考にならないかもしれませんのでその場合はご容赦ください。
前近代の政治史・外交史については先生の『読むだけ日本史』がベースです。『流れがわかる日本史ノート』という本をベースにして、このノートの紙面上に、読むだけ日本史の重要用語を拾い上げてチェックを入れたり、補足を入れたりしていくという独学受験生の話を読みました。しかしこれでは、日本史ノートに書かれている、入試に出ないところも目についてしまいます。
そこで私はまず読むだけ日本史を買ったあと、1枚1枚の紙面を本から切りはずしてばらばらにしてしまいました。斬って斬ってきりまくるのでここがまさに“斬新”な方法です。
バラバラにされた読むだけ日本史は次にスキャナーにかけて写真ファイルとなり(これを一瞬でやってくれる機械もあるようです)、これをプレゼンテーションソフトであるパワーポイントに1ページにつき1枚の写真ファイルの割合で次々に貼り付けていきます。
横長のパワーポイントの白紙1ページの上には左1/3ほどのところに読むだけ日本史1ページ分が貼り付けられ、合計約180ページ分のパワーポイントファイルができあがります。
タブレットPCにこのファイルを入れ、ここからは、『読むだけ日本史』の赤字以外の重要用語にPC上で赤線を引いたり、本文の行間や真ん中1/3の白紙部分に、映像教材で拾い上げた内容や『難関大用語集解』で拾った内容などを赤字で追記したりしていきます。
最後に右1/3の白紙には語呂合わせや、漢字に注意すべき用語などを拾い上げて記載していきます。先生が映像教材で注意喚起されているワープロの略字などはここで注意事項として入れております。
このようにして作った自家製電子書籍モドキのものをタブレットPCで拡大して通勤時などに目を通しております。老眼も始まっています私には拡大されている『読むだけ日本史』は非常にここちよく、行間に字を挿入しているところも苦痛なく読めます。
何といっても目にするものは受験に不要なものはほとんどありません。もしPCをあまり使っていない方なら拡大コピーされたらいいと思います。ポイントは横長の向きにB4サイズ用紙設定し、左1/3に拡大コピーし、残り2/3を余白にすることです。ここに補足情報を追記すればよいと思います。
文化史は何といっても『でる日講義-とことん文化史-』のまとめプリントです。学生さんは余白に補足したものをもとにして最後に清書されているかもしれませんが、私はこれもパワーポイントに入れてPCで入力しております。
先生がいつもおっしゃられていますように受験勉強は当然本番が勝負です。これは私どもの医療の世界でも同じです。いくら普段勉強していて医学の知識をいっぱいもっていても、最終的に医師として患者にしっかりと役に立てなければ、残念ですが評価されません。
おそらく多くの社会人にとって結果がすべてです。これが厳しい現実です。
受験日本史の世界でも、先生の膨大なデータから考えるととても本番では出そうにないことを扱う受験参考書があるのと同様に、私どもの世界でも、世間にいろいろ医学書はありますが、実際の患者さんの症例から学ぶアプローチをしている書物は意外と少なく、これから一人前の医師になっていく人たちのために何とか今年度中にそのような書籍を先生にならって自費出版してみようと目下製作中です。話がそれましたが、これからも若い人たちを導いておられる先生を陰ながら応援させていただきます。
先生におかれましてはどうか御身体の方、ご自愛くださいませ。
いやはやすごい勉強法ですね。これはさすがに高校生は真似られませんね。
受験生に参考にしてほしいのは次の2点です。
①暗記のモトを一つに絞る
②そこに過去問や別の参考書で得た情報をすべて書き込む
教科書や参考書を読んで、一問一答集をやって、問題集・過去問をやって……というのでは、情報があちこちに散らばっていて復習がしにくいことこの上なしです。何度も覚え直すことを考えたら暗記のモトは一つにしておくべきです。まとめておくべきなのです。
受験生は入試で出題される事柄を知らないため、多くの参考書が入試とズレていることを知りません。たとえば用語集では情報量が多すぎ、逆に教科書では情報が足りません。分厚すぎる参考書もたいてい不要なことがたくさん書かれています。入試データをとっている当方が見るとそれは一目瞭然です。日本史にばかり時間をかけていたら他教科の足を引っ張ってしまいます。入試に出るところだけを拾っていきましょう。