『2時間でおさらいできる戦国史』の感想(1)

先日、『2時間でおさらいできる戦国史』を読んでくださった方から、感想をいただきました。2回に分けて紹介いたします。

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たとえがすごく分かりやすくてやっと戦国時代が良くわかりました!

先生が「はじめに」で書かれておられたように、戦国時代は戦ってばかりで、きっと自分の御先祖様も田んぼを荒らされたり、強制的に戦に連れていかれたりひどい目にあっていたに違いないと思って戦国時代を今まで敬遠しがちでした。

ぼんやりと「自分の欲で戦いたがっている戦国大名と、振り回される非力な農民たち」というイメージを持っていましたが、(テレビドラマではそういう描写が多かったです)本当の歴史ではそんなに単純なものではなかったと第2章「村の世界」で良くわかりました。

テレビの動物番組が好きでよく観るのですが、ミツツボアリなど厳しい環境で生きる蟻たちはエサが足りない時は同種のよその蟻の巣を襲って蓄えや幼虫を奪って生き延びるそうです。

恵まれた現代に生きる私たちが、戦国時代の農業生産力の低さを考えずに残酷だ、略奪は悪いことだと単純には言い難いと思いました。

63ページの上杉謙信の出兵の目的の可能性はすごくびっくりすると同時になるほど!と思いました。猿や狼と一緒にしたら怒られそうですが、まずリーダーは群れの腹を満たすことを考えて行動しないといけないので納得できました。

大河ドラマでは「義のために戦った」と描かれることが多く、少し不思議な人と感じていた上杉謙信ですが、人間らしさを感じました。
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この本には、戦国大名の軍勢が略奪する話や、それに対抗する村人の話などが出てきます。戦国時代というと、どうしても戦国武将の派手な行動に目がいきがちですが、黒い部分にも目を向けるべきだと思って書きました。そこを読んでもらえて、しかも深く考えていただけたようでうれしく思います。

みなさんも、よろしかったら本当の戦国時代をのぞいてみませんか?

2時間でおさらいできる戦国史