今日は、受験の話はいっさい出てきません。ごめんなさい。
1週間くらい北アルプスに行ってきたいと考えています。
今年は、昨年の『2時間でおさらいできる日本史』のような大型原稿がないため、長期の休みが確保できました。この時期の長い休みはなかなか取れないので、ここぞとばかり張り切っているわけです。ハードな夏期講習に備えてジョギングをしてましたが、なんと講習明けも走ったり、歩いたりしているのです。すべては北アルプスのためです。先日はトレーニングのために奥多摩にある川苔山にも登ってきました。
登りの途中にある百尋の滝です。川苔山は「川乗山」とも書くほど、水量の豊富な川が流れています。登りはほとんど川沿いを歩くため、ひんやり涼しくて気持ちの良いコースです。ただし登りだけで3時間半もかかりますけどね。
川の上に乗る山という表現がふさわしい山です。
ところがこれが大変な登山になってしまいました。
まず、山頂で昼食を食べ終えると、直後に雨が降りはじめて急遽撤収となりました。こういう時にはゴアテックスという透湿性素材の雨具を持っているので、それを着て行動すれば大丈夫です。3年前の尾瀬でも使いました。しかし……どうも寿命が尽きていたようです。ゴアテックスが劣化していて、水が染みこんできてしまったのです。買ったのはもう20年以上前のことですから、当然と言えば当然なんですが、焦りました。もしこれに気づくのが北アルプスだったら……。雨でじとっとしているのに、いやな汗をかかされました。
しかし、本当の冷や汗をかいたのはその後のことでした。なんと登山靴の靴底がはがれてしまったのです。北アルプスの予行演習ということで、重登山靴を履いていったのですが、靴底のゴムの部分が劣化していたのです。あわてて靴底をひもでしばったのですが、雨で地面が濡れているためおっかなびっくりで歩かざるを得ず、歩く速度も遅くなってしまいました。地図にあるコースタイムよりもはるかに時間がかかり、「いくら歩いても全然ゴールに着かないよ」と涙目状態になったのです。
そうこうするうちに、もう片方の靴底もはがれてしまいました。弱り目に祟り目とはこのことです。もう誰かに呪われているとしか思えません。道に座り込んで、本格的に両足ともひもでしばり直し、雨の湿度と冷や汗でぐっしょりになりながら、なんとか鳩ノ巣駅にたどりつきました。時計を見ると、2時間で降りるはずのコースに3時間近くかかってしまっていました。
帰ってきた翌日、新しい靴を買うため登山用品店に行きました。ぴったり足に合う靴を選ぶために1時間半もかけ、さらに性能が良くなっている最新の雨具を買いました。靴を選んでいたら、そこにかつての卒業生Mさんも買いに来ていて、何年かぶりの再会に驚きました。登山サークルに入ったんだそうで、屋久島に行くと言っていました。「山ガール」ってほんとに流行ってきたようですね。でも軽い気持ちで登ると大変なことになるので、くれぐれもご注意ください。