長いこと40面ノートを板書して授業をしているため、好ましいことではありませんが、ノートのコピーが出回っているようです。先日は、ある予備校講師までもがほしがっているなんていう話を、卒業生から聞きました。
しかし、40面ノートは用語の説明をほどこしたノートではないため、実はそれだけでは何のことかわからない部分がかなりあるはずです。たとえ用語を知っている講師が見たとしても、各用語の問題を解くためのポイントを知ることはできません。それは授業中に口頭で話しているだけなのです。
さて、「日本史道場」に参加する方からそのノートについての質問をいただきました。
<Hさん>
今、先生の「読むだけ日本史」と友達からもらった「石黒ノート」を使って勉強しています。これを完璧にしてから「上智コンプリートミッション」をやろうと思っているんですが、これで上智の文化史以外の問題は対応できますか?
<石黒>
早稲田予備校の授業では、ノート1面分の板書と説明に120分くらいかかります。しかし『読むだけ日本史』には紙幅の都合、それほど濃い内容は書かれていません。例えば10番ページなら、『読むだけ日本史』ではたった8ページ分の記述しかないのです。授業の内容は、やはり『読むだけ日本史』よりはるかに濃いのです。
その落差を埋めるには、ノートにある一つ一つの用語の意味を把握するしかないのですが、教科書や用語集などではそのポイント(あくまでも大学入試で問われるポイント、さらに言えば上智を受験する上で抑えておくべきポイント)がわからないでしょう。「日本史道場」を受講すれば、ポイントをついた勉強とはどういうものなのかがよくわかるかと思います。
またノートの形にも深い意味が込められていることが多いのですが、それにも気づきにくいと思います。このためライブ授業の受講生以外には、40面ノートにこだわるよりも、『でる日講義−経済・外交史(前近代)−』・『でる日講義−経済・外交史(近現代)−』や『難関大用語集解』の利用をお勧めしています。
いずれにせよ上智大の過去問を解いて、全時代に渡っておおむね9割くらい正解できていれば問題ありません。逆にそれに届かないようであれば、勉強法を見直す必要があります。他教科とのバランスも考えてみてください。
40面ノートがあればなんとかなると思う人はこれまでにたくさんいましたが、本当にそれで高得点につながった人はほとんど聞きません。過去問で自分の本当の実力をはかってください。
当方の通年授業を受けていない方には、映像教材『でる日講義』シリーズをおすすめします。それなら短時間でポイントをつかみながら受験日本史を習得できます。