株も入試もボラティリティは低い方がいい

株式投資などの世界にボラティリティ(volatility)という言葉があります。価格が上がったり下がったりする変動率のことです。たとえば「新興国の株式はボラティリティが高くて危険だ」などと使います。いや、実際は日本株のボラティリティも結構高いんですが……。そして、資産運用ではこのボラティリティが低いことが良いとされています。でもこれ、受験でも同じですよね?

「英語と日本史は7割5分取れたのに、国語が3割しか取れずに落ちた」というのでは、ボラティリティが高すぎです。でもこれはよくあることです。何か1教科が足を引っぱって不合格というパターンは、今まで何度も見てきました。やはり各教科、どの試験であっても安定的に高い正解率でありたいものです。

昨日の鈴木君は早稲田大学を6学部とも合格しています。これは確実に安全圏で受かったことを意味しています。そこで各教科の学部別の正解率を見くらべてみました。するとおもしろいことがわかったのです。英語は文化構想学部の70%が一番低く、法学部と政治経済学部の85%が最高です。国語は教育学部の60%が一番低く、文化構想学部と政治経済学部の83%が最高。要するに、英語は正解率に15%の開きがあり、国語は23%の開きがあるのです。これでも一般の受験生から見れば、まだ安定的な数値でしょう。40%くらい開きが出てしまうことはザラなのです。

そして日本史は、最低だったのが商学部の85%。最高は政治経済学部の95%(論述は除く)、もしくは教育学部の94%です。見事な高得点ですね。また、ボラティリティも実に低く安定的です。

超緊張状態にある本番の入試で、これだけの高得点をたたき出せたということは、平常心であたれる過去問演習では、もっと高得点が出せているわけです。よく「過去問やると、調子良いときは7割取れるんですけど、それで受かりますかねえ?」という質問を受けますが、本番ではどうなるんでしょうか? 本番に強くて平常時の最高点を上回れる人なら受かるでしょう。その逆のタイプだったら……言うまでもありません。普通は下がる人の方がはるかに多いはずです。本番では1割減るくらいは覚悟しておいた方が無難です。「想定外の津波で……」なんて言いわけは東京電力だけにしてもらいたいものです。

というわけで、受験生には弱点をつぶす学習を求めます。またワセヨビの高卒生には、校内模試で毎回、安定的に高得点を取ることを望みます。