近現代学習の醍醐味

金融恐慌や昭和恐慌のあたりは、
通年授業では情報の嵐のような状態になります。
細かい単語もさることながら、
何と何がどうつながっているのかを説明するため、
まくしたてざるを得ないのです。
あちこちが連動しているため、単純暗記が嫌いな人にとっては、
かなりおもしろい部分です。

こういう部分を楽しんで聴ける受験生がいます。
猛スピードでメモを取る人や、
ストーリーの展開ぶりに驚いたり納得しながら聴く人、
さらには二年目の受講生なんかだと、
先読みしながら聴いたりしているようです。
話すこちらも楽しんでいるわけですが、
こんなメッセージをいただきました。

<Yさん>
(前略)最近になってよく思うんですが、近現代は授業が進むにつれてどんどん密度が濃くなって大変だなあと思います。問題を解くと、繋がりの大切さを実感します。ところで、止めないとメモを全て書いちゃうっていう話には驚きました。僕も話を聞きながらメモするのをガンバっていたら、上を向いてても字が書けるようになっちゃいました。(そういう人が結構いるんですよね…)それでもやっぱりはやいので、僕の場合は話にその場で覚えるぐらいの勢いで食いつくのを重視して、メモはかなり断片的にして、後でそこからどれだけ内容を思い出せるか、というやり方にしてます。それで、わからなかったところや昭和恐慌みたいな難しいのは録音、という感じです。いつも録音や史料の音声なんかはかなり再生速度をあげて聞いてるので、授業は「おお、ゆっくりだ」ってなります。(それでも今週はめちゃめちゃはやく感じたんですが)ノートの完成も近づいて来たのでいっそう頑張りたいと思います!最後に、先生と僕の字がかなり似ていると思うんですがどうでしょうか。(編注:写メールにノートの画像がついていました。)

<石黒>
まず、メモの取り方はそれがもっとも良いと思います。
上を向きながら書けるとか、断片的なメモにとどめるとか。
しかも、音の再生速度を速めているのも良いと思います。
「速聴き」とでも言うのでしょうか、
慣れてしまえばできてしまうことみたいですね。

そして字ですが、確かにちょっと似ていますね。
僕自身もある人の字に影響を受けて、
四角い字を書くようになりました。
中学生の頃の話です。
ちなみに、授業で配布しているプリントの中には、
僕の影武者が書いたものがあります。
かなりそっくりに書くスタッフが二人いるのですよ。

どうしても近現代は情報量が多いので、
スピードが速くなるのです。
骨組みができていない人にとっては苦しいでしょうね。
夏前に「骨組みを作っておいてください」と、
さんざんお願いしていたのは、このためだったのです。
そういえば『でる日講義−経済・外交史(近現代)−』の感想でも、
「早送りしているのかと思った」という感想がありましたね。
近現代は用語自体は聞き慣れたものが多いだろうからと考えて、
漢字を書くことなく、バンバンしゃべってしまえるのです。
みなさんも、書き勉強の割合が減ってきましたよね?