単純暗記グセから脱却できますか?

2カ月くらい前に
「山川の教科書は使わないんですか?」という記事を書きました。
あのときの彼からメールをいただきました。

<Sさん>
夏休みに「先生の40面ノートを使う生徒は山川教科書は必要なのですか」という質問をしたものです。先日、読むだけ日本史を両方、購入しました。日本史は9月の上旬に近代も学習が終わり、不覚にも「安心」していたのですが、書店で石黒先生の読むだけ日本史を手にとってながめてみたところ、自分が的を得られていなかった学習をしていたことに気付き、気を引き締め直し、日本史に取り組んでいるところです。私は正誤問題が苦手なので正誤問題対策に石黒先生の本を購入する予定です。

よかったです。気づいてもらえて。
まずそもそも、そんな簡単に日本史が終わるわけないと思うのです。
通年授業を受けている人なら、
もう十分わかったのではないかと思いますが、
(A)日本史は丸暗記した知識そのままを答えにする問題と、
(B)その知識をもとに考えて答えを導き出す問題の、
両方から成り立っています。
そして、(B)の問題が解けるようになるためには、
かなり深く考えることを常態化しなければなりません。
学校などで日本史を暗記科目として教わっている場合、
その習慣は身につきません。
ゆえに、(B)の問題は解けるようにならないのです。
近現代に入ってからは、授業中に考えてもらうことが、
かなり多くなっています。
河合塾の人たちには、考える時間をほとんど用意できませんので、
追いつけていない人が結構いるようです。
なぜそれがわかるかといえば、答えを口では言わず、
黒板の文字を指し示すだけにしているからです。
それなのにうつむいたまま黒板を見ない人がいるんですよ。
答えを見もしないということは、考えてもいないわけです……。
もっとも時間的に余裕のあるワセヨビでも、
高卒生のなかに同じような人はいます。
単純暗記だけでやってきたクセから抜け出せないのでしょうか。
後1カ月ちょっとで通年授業も終わりますから、
変われるとしたら最後の機会です。

というわけで、近代の学習が「9月に終わる」なんてことは、
ありえません。
言葉の、しかも、カンタン言葉の暗記だけなら終わるでしょう。
深く考えるというレベルまで到達していないのです。
S君には『読むだけ日本史』くらいで満足せず、
もう一歩先まで取り組んでほしいものです。
通年授業や『でる日講義−経済・外交史−』などを受講したら、
その深さに驚くはずです。
MARCH以上をめざすなら、本当に深いところまで取り組んでください。
逆に深く理解できたら、内容誤りタイプの正誤問題は、
解くのが楽しくなるはずです。
先日も
「早稲田の人科の正誤問題とかは解けるのに、
 記述問題で漢字を間違えてしまうんですよー」
なんて言ってる高卒生女子がいて笑えました。
こちらのタイプの方が、
弱点を克服しやすいのは言うまでもありません。
彼女ならまだまだ間に合うはずです。

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