先日、ある現役生から、
「市販されている問題集で、良いものはありませんか?」
と聞かれたのですが、
「市販」という条件下では挙げられませんでした。
何も知らない受験生や先生だったら、
知名度やブランドで、気楽に問題集を選べるでしょうが、
当方は細かい出題率などを知ってしまっているため、
どうしても欠点が目についてしまうのです。
もっと大らかな気持ちで見てあげれば良いのかもしれませんね。
でも今は、自分で責任をもって作った問題集があるので、
とてもそんな気持ちにはなれません。
問題演習については、こんな質問メールもいただいています。
<Tさん>
お疲れ様です。ワセヨビでお世話になっているTです。問題演習について質問させてください。予備校が始まって1ヶ月になりますが、ようやく日本史勉強のペースが掴めてきました。40面ノート、しゃべり勉強、ワシづかんで覚えることの凄さを実感しています。しかし、このような素晴らしい定着法を先生に提示して頂いても、自分で実際に問題を解いて頭をフル回転しないと、早慶レベルには届かないと思っています。自分は”日本史事始””どこでも史料問題問題編””でる日とことん文化史”の他に、「全国大学入試問題正解」の巻末に付いている”内容別問題一覧”を参考に様々な大学の過去問を解いています。早稲田の過去問も6月に入ってから取り組もうと思っています。問題演習はこんな感じで大丈夫でしょうか?ご指摘やアドバイスがありましたら、お願いします。今年は石黒先生の通年授業を受けているので、日本史を武器にしたいと思っています。お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします。
<石黒>
なかなかお勧めできる問題集がなく申しわけありません。
また derutoko.com 教材を使ってくださりありがとうございます。
そしてそれらを使ってくださっているなら、
『あるある正誤問題』もお勧めします。
これは定番の正誤問題をクリアするための、
センター試験向けの問題集で、難関私大向けではありません。
しかしこのレベルがマスターできていなければ、
早稲田の正誤問題には歯が立ちません。
一方、そのくらいのレベルはできているというなら、
逆にかなりハイレベルな問題が入っている
『難関大用語集解』をお勧めします。
こちらは「でるとこ日本史プラス」で追加している
Dランク用語を中心に解説している参考書です。
実際の問題がついているため、出題例がよくわかるようになっており、
解答へのプロセスも丁寧に説明してあります。
講師室に来てくれればサンプルをお見せします。
それから『全国大学入試問題正解』には、
解説がまったくついていないので、
普通の受験生は使いにくいでしょう。
あれは講師向けの問題集です。
しかも解答に間違いが多いところも危険です。
解答に疑問を感じたら鵜呑みにせず、
自分で調べたり質問したりしてください。
そういう意味では赤本の方がまだ使いやすいでしょう。
第1~3志望大学の過去問から、
履修済み部分の大問を探して解いていくわけです。
MARCHあたりの問題なら、早稲田より解きやすい問題も多いですよ。
<Tさん>
お返事ありがとうございます。全国大学入試問題正解は、現役の時に偶然本屋で見つけて買ったんです。後から、予備校や学校の先生用のネタ本だと知って、ビックリしたのを覚えています。先生用のネタ本だから信用できると思い、ずーっと使っていたのですがショックです…先生のおっしゃる通り、MARCHや早稲田の赤本から習った部分をピックアップして、コツコツやっていこうと思います。あるある正誤問題、難関大用語集解も以前から気になっていました。難関大用語集解は親に交渉している最中です(笑)是非、サンプルを見させてください。これから赤本の問題について質問する機会があると思いますが、その時も宜しくお願いします。ありがとうございました!
旺文社の『全国入試問題正解』の解答と赤本の解答は、
ズレている箇所がたくさんあります。
毎年、いちいち比較してチェックしているのです。
そして、赤本が正しいこともあれば、
旺文社の方が正しいこともありますし、
どちらも誤っていることもあります。
いずれにしても解説がない問題集を受験生がやる意味はありません。
もっと効率の良い環境で学習したいと思いませんか?