入試に出るモノ、出ないモノ

先日、藤沢である男子生徒から質問されました。
この話をそのまま書いてしまうと、
お金を払って受講してくれている生徒に失礼なため、
一部を伏せ字にして、お話しします。

江戸時代におこった某事件について、
藩主Aの名前を黒板に書いたのですが、
その質問の生徒は、似た名前のBという名前をあげて、
「Bの間違いじゃないですか?」と言うのです。
「用語集にはBとだけ書いてありました」とも。
僕自身はBの名前を忘れていたのですが、
肝心なのはAであることは間違いないので、
「いや、Aで正しいから大丈夫。用語集に何て書いてあろうとも、出題されるのはAだから」
と答えたのです。
すると彼は、
「別の予備校に行っている友達のノートにもBって書いてありました」
と食い下がってきました。
そこでパソコンを取り出し、日本史の辞典で調べてみたのです。
すると、彼がいうBとはAの父のことで、
その某事件の際には、もうこの世の人ではありませんでした。
ついでに出題データも確認してみると、
Aは明治大や中央大が「某事件が起こった時の藩主は誰か?」
と、記述形式で出題しているのに対し、
Bの出題データは記録されていませんでした。
こういう場合は、
まぎらわしいのでBの名前など知らない方が幸せです。
そして用語集を重んじている受験生たちは、
みな撃沈してしまいますね。
何しろ記述問題なのですから。
もっとも、そのことを彼に伝えても、
彼は今一つ納得しない顔のままだったのですが……。

このパターンって、非常によくあることなんです。
「友達が××って言ってたんですが……」と聞きに来た生徒に、
「それはめったに出題されないから知らない方がいいよ」と答えると、
たいてい納得しないんですよ。
僕などは「おー、世間じゃそんな意味ないこと覚えてるんだ!」
って、むしろ大喜びするんですが、なかなか共感してもらえません。
もっと他人に振り回されずに勉強すればいいのに……。

そういえば、先週も藤沢でこんなことがありました。
ある女子生徒が問題集の質問をしに来たのですが、
その問題集が「やってはいけないタイプ」の問題集だったのです。
1 実際にどこかの大学で出題されたものではない。
2 十分な解説が付いていない。
この二つの条件に合致してるんですよ!
だいぶ昔に出版された問題集で、
今となっては絶対に出題されない旧石器時代の人骨などが、
まだそのまま載っているんです。
「いいかげんに改訂したら?」とも思うのですが、
出版社か著者のどちらかがアバウトなんでしょうね。

あえて言いますが、derutoko.com教材の場合は、
アフターフォローがしっかりできるのが強みです。
購入者がはっきりわかっているので、
訂正箇所や追加情報などを個々にメールでお伝えしているのです。
既存の出版社には真似のできない境地に立ちたいと思っています。
例によってスタッフはてんてこまいすけどね。

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