日本史講師に抱く不信感(2)

昨日の記事のつづきです。

さらにもうひとつ不思議なことがあるんです。
Aランク用語が100回以上という点です。
それだけの回数をすべて手作業で入力したら、
とんでもない作業量になってしまいます。
たとえば、僕が持っている用語数はおよそ2万語ですが、
そのうち出題回数が多い3千語をAランク用語と分類したとすると、
3000語×100回以上出題=30万回以上! となってしまいます。
Aランクだけでこの数です。
ってことは、すべての入力作業にかかる労力は……?
本当に手作業で入力したカウントなのでしょうか。
先日の記事でも書いたように、
パソコンでただ機械的にカウントするのでは、意味がないのです。
正解するために必要な用語「だけ」をカウントしなければ、
「問題文」「選択肢」への単なる登場回数になってしまいます。
実際、それを数えた某参考書を持っているのですが、
なんと1位は「国司」でした。
これがそんなに問われる用語だと思いますか?
僕がやっているデータ分析は、
国司について何が問われたかまで細かく分類しています。
単に国ごとにおかれた役職として問われただけなら困りませんが、
もっと細かい知識がなければ解けなかった場合、
どこまで細かく出されたかを解析しなければ、
本当のデータとは言えません。
たとえば「中央から派遣された」とか、
「任期は6年だった」とか、
「のちに任期は4年になった」とか……。
これらの内容を知らないと解けない問題は、
単に「国司」のところにカウントしても意味がありませんよね?
それぞれの細かい内容に分けてカウントすべきです。
もちろん記録する際には、出題校の年・大学名・学部名とともに、
記述形式か選択形式か正誤問題かを書き、
さらにどんな設問文の中で問われたかも書いたりします。
そういうことをしなければ、
「どこまで細かく教える必要があるか」はわからないのです!
ちなみに単に国ごとの役職として問われた「国司」だったら、
ただのCランク用語です。
日本史は英語じゃないんだから、
問題文(リード文)自体はどうでもいいのです。
それこそ専門知識の豊富な教授が、
難しいことを書きつらねていたりしますから。
たとえば学習院大のリード文は
ドラマ仕立てでおもしろく書いてますが、
まさかその知識が全部必要なわけがありません。
肝心なのは、各小問を答えるために必要な知識だけです。

ちょっとしつこいですが、もう一つ疑問に思うことがありました。
どのくらいの数の大学を対象としているのか、です。
早稲田と慶應だけなら大したことありませんが、
まさか、それだけじゃないですよねえ?
それらを30年分も手作業で入力したら、
尋常じゃない時間がかかるんですよ。
かといって何人かで手分けしてやると、
正誤問題などで、どの部分まで拾うかにブレが生じます。
それゆえデータ入力だけは、僕もスタッフにまかせることができずに、
毎年毎年ひとりで入力を続けているのです。

どちらにしても、他の予備校に通っている人は、
決して安くない授業料を払っているのですから、
遠慮などせず、直接先生に聞いてみたら良いと思います。